お肌に悪影響を及ぼすメラニンって何?
メラニンとは人間の体の中で作られる黒い色素のことです。
詳細に区分すると黒色のユーメラニンと肌色のフェオメラニンの二種類があり、それぞれが作られる量が遺伝的に決まった結果、白人や黒人、黄色人種といった人種の違いになっているわけです。
さて、しかしメラニンはよくシミの原因であり悪影響ばかりもたらす存在だと誤解されることもあります。
確かに過剰なメラニンの生成はシミを作ることになるというのは間違いないことですし、ほとんどの人にとってシミは嬉しくないものですから悪影響をもたらすというのは確かなことです。
ただ一切悪影響しかもたらさないのかと言われるとそうではないのです。
ではそもそもメラニンとは何なのかというと、これは「皮膚を紫外線から保護するための物質である」と説明できます。
人の肌は常に太陽の光に含まれる紫外線を受けていますが、この紫外線というのは細胞の中にあるDNAを破壊したり、皮膚がんを引き起こすといった害があります。
宇宙服は紫外線の大半を遮断できるような構造になっているのですが、これは宇宙では地球のように紫外線が和らげられずに直接宇宙にいる人の肌を攻撃するからといった理由があります。
もし宇宙服を着ずに宇宙に出てしまったとすると、酸素不足もそうですが紫外線などの光線によって皮膚がぼろぼろになってしまうことでしょう。
もちろん地球にいる限り紫外線がいきなり人体に害を及ぼすということは無いのですが、それくらい紫外線というのは危険なのだと考えてください。
そうした危険な紫外線から肌を守るために生成されるのがメラニン色素であるわけですから、悪影響しか及ぼさないというのは大きな誤解です。
日焼けをした肌は普段よりも黒い色になりますが、これもメラニン色素が皮膚を焼く紫外線から身を守るために大量に生成されたことが理由です。
さて、こうしたことからこの色素自体は人体に必要なものなのですが、ではどうしてシミになってしまうのかというと、これは生成されたメラニン色素が皮膚から排出されていないというのが理由になります。
本来人の肌はターンオーバーによって常に新しいものになっているのですが、生活習慣の乱れやストレスの蓄積といった要因が重なるとターンオーバーのリズムが崩れてしまうことがあるのです。
そうなってしまうと生成された色素がいつまでも肌に残ってしまい、それで他の細胞が染まってしまう結果シミとしていつまでも黒く残ってしまうわけです。
よって「メラニン色素自体は悪いものではないが、排出が上手く出来ないとシミという悪影響をもたらす」と覚えるようにしましょう。